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日本性愛史・平安時代・未成年とはやっぱりNG!
category - 性愛史
2019/
04/
13日本性愛史・平安時代・未成年とはやっぱりNG!
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日本性愛史
平安時代(794年~1185年)
未成年とはやっぱりNG!
〇初潮を迎えたら立派なおとな
どこぞに良い姫君がいると聞けば、すでに既婚者であってもすぐさま駆けつけ、夜毎、貴公子達は相手をとっかえひっかえやりまくり、後述するように女性ばかりか男性との性交渉もあたりまえの、もうなんでもありのように思える平安時代の性事情であるが、それでも、暗黙の了解として禁止されてることはあった……。
それは、〝こども(未成年者)〟との性行為である。
といっても、現在のように18歳以上ではない。当時はもっと年齢は低く、初潮を迎え、肉体的に一人前の〝おとな〟に成長してからということである。
通過儀礼的には、女子ならば成人式である「裳着(もぎ)」の行われる、初潮を迎える10代前半だ。
〇紫の上の初体験
そうしたタブー感は『源氏物語』の第九帖「葵」後半における、紫の君(※結婚後は「紫の上」。正式ではいが二番目の正妻格)と初手枕(初夜)に及ぶ話からも覗い知ることができる。
この紫の君、幼くして母を亡くし、「若紫」という名で呼ばれた幼少期に祖母・北山の尼君の家で育てられていたところ、偶然、垣間見た光源氏に見初められ、祖母の死後、父親の兵部卿宮に引き取ら得るはずだったが源氏は彼女を自宅に連れ去り、親族には何も伝えぬまま自分の理想とする好みの女性へと育てる……
という、最早、『マイフェアレディ』どころか拉致監禁した上に身勝手な育成ゲームを楽しむという卑劣な行為を源氏は行っている。
(※もっとも、彼は何不自由ない経済的援助と最高レベルの教育を施しており、当時の後見人のいない女性の厳しい境遇なども考慮すると、現在のそうした犯罪者とは少々事情が異なるのではあるが…)
祖母の家の若紫(紫の君)を垣間見る光源氏
しかし、そんな拉致監禁をおくびもなく行ったこのプレボーイであっても、紫の君が女性として成長するまではけして性愛の対象として手は出さなかった。
それは、他の女性との恋愛やアクシデントがあってしばらく会わなかった後、久方ぶりに二条邸ですっかり大きくなった紫の君と会った時のこと。
(原文)
「姫君の、何ごともあらまほしうととのひ果てて、いとめでたうのみ見えたまふを、 似げなからぬほどに、はた、見なしたまへれば、 けしきばみたることなど、折々聞こえ試みたまへど、見も知りたまはぬけしきなり」
(現代訳)
姫君(紫の君)がすっかり一人前の貴女に成長なされているのを見て、もう結婚(交渉)をしてもよい時期になったように思え、おりおりそれまでは交わしたことのないような戯談(性行為を匂わすような会話)をしてみるのだったが、紫の君にはその意見が通じなかった。
とある。
源氏はいつでも自分の意思次第で完全に自由になる状況に紫の君を置きながらも、彼女が成長するまでは手を出してはいけないものと考えていたのだ。
まあ、性教育は施していなかったのか、体だけはおとなになっても精神はまだまだこどものままだったようであるが……。
しかし、そんな精神年齢は低い姫君でも、体が〝おとな〟に育っているとなれば、もう源氏の欲情は止められない。
(原文)
「たださるかたのらうたさのみはありつれ、しのびがたくなりて、 心苦しけれど、いかがありけむ、 人のけぢめ見たてまつりわくべき御仲にもあらぬに、男君はとく起きたまひて、女君はさらに起きたまはぬ朝あり」
(現代訳)
「ただ肉親のように愛撫すれば満足できた過去とは違い、愛すれば愛するほどその悩ましさは増し、ついに堪えられなくなった源氏は心苦しいこと(強引な性行為)を行った。そうしたことのあった前も後も女房(※女官)達の目に違って見えることはなかった(気づかなかった)が、寝屋から源氏だけが早く起きて来て、姫君が床を離れない朝があった。
まだ〝男と女のこと〟を何も知らない紫の君を、源氏は〝おとな〟の女性になったということで、欲情を抑えきれず犯してしまったのである。
さすがにこれには紫の君も怒ったらしく、その後、拗ねてしばらく口も利いてくれなくなったらしいが(源氏に関係を迫られた姫君の中では珍しく本気で怒り、嫌っている)……このエピソードからは、箱入り娘として育てられ、まるで性の知識のない姫君が初体験を迎える時の状況が知れて興味深い。
ともかくも、肉体的におとなの女性へ成長していることをもって、性行為の解禁時期と考えられていたようだ。
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〇平安朝ボーイズラブ →
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平安時代(794年~1185年)
未成年とはやっぱりNG!
〇初潮を迎えたら立派なおとな
どこぞに良い姫君がいると聞けば、すでに既婚者であってもすぐさま駆けつけ、夜毎、貴公子達は相手をとっかえひっかえやりまくり、後述するように女性ばかりか男性との性交渉もあたりまえの、もうなんでもありのように思える平安時代の性事情であるが、それでも、暗黙の了解として禁止されてることはあった……。
それは、〝こども(未成年者)〟との性行為である。
といっても、現在のように18歳以上ではない。当時はもっと年齢は低く、初潮を迎え、肉体的に一人前の〝おとな〟に成長してからということである。
通過儀礼的には、女子ならば成人式である「裳着(もぎ)」の行われる、初潮を迎える10代前半だ。
〇紫の上の初体験
そうしたタブー感は『源氏物語』の第九帖「葵」後半における、紫の君(※結婚後は「紫の上」。正式ではいが二番目の正妻格)と初手枕(初夜)に及ぶ話からも覗い知ることができる。
この紫の君、幼くして母を亡くし、「若紫」という名で呼ばれた幼少期に祖母・北山の尼君の家で育てられていたところ、偶然、垣間見た光源氏に見初められ、祖母の死後、父親の兵部卿宮に引き取ら得るはずだったが源氏は彼女を自宅に連れ去り、親族には何も伝えぬまま自分の理想とする好みの女性へと育てる……
という、最早、『マイフェアレディ』どころか拉致監禁した上に身勝手な育成ゲームを楽しむという卑劣な行為を源氏は行っている。
(※もっとも、彼は何不自由ない経済的援助と最高レベルの教育を施しており、当時の後見人のいない女性の厳しい境遇なども考慮すると、現在のそうした犯罪者とは少々事情が異なるのではあるが…)
祖母の家の若紫(紫の君)を垣間見る光源氏
しかし、そんな拉致監禁をおくびもなく行ったこのプレボーイであっても、紫の君が女性として成長するまではけして性愛の対象として手は出さなかった。
それは、他の女性との恋愛やアクシデントがあってしばらく会わなかった後、久方ぶりに二条邸ですっかり大きくなった紫の君と会った時のこと。
(原文)
「姫君の、何ごともあらまほしうととのひ果てて、いとめでたうのみ見えたまふを、 似げなからぬほどに、はた、見なしたまへれば、 けしきばみたることなど、折々聞こえ試みたまへど、見も知りたまはぬけしきなり」
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姫君(紫の君)がすっかり一人前の貴女に成長なされているのを見て、もう結婚(交渉)をしてもよい時期になったように思え、おりおりそれまでは交わしたことのないような戯談(性行為を匂わすような会話)をしてみるのだったが、紫の君にはその意見が通じなかった。
とある。
源氏はいつでも自分の意思次第で完全に自由になる状況に紫の君を置きながらも、彼女が成長するまでは手を出してはいけないものと考えていたのだ。
まあ、性教育は施していなかったのか、体だけはおとなになっても精神はまだまだこどものままだったようであるが……。
しかし、そんな精神年齢は低い姫君でも、体が〝おとな〟に育っているとなれば、もう源氏の欲情は止められない。
(原文)
「たださるかたのらうたさのみはありつれ、しのびがたくなりて、 心苦しけれど、いかがありけむ、 人のけぢめ見たてまつりわくべき御仲にもあらぬに、男君はとく起きたまひて、女君はさらに起きたまはぬ朝あり」
(現代訳)
「ただ肉親のように愛撫すれば満足できた過去とは違い、愛すれば愛するほどその悩ましさは増し、ついに堪えられなくなった源氏は心苦しいこと(強引な性行為)を行った。そうしたことのあった前も後も女房(※女官)達の目に違って見えることはなかった(気づかなかった)が、寝屋から源氏だけが早く起きて来て、姫君が床を離れない朝があった。
まだ〝男と女のこと〟を何も知らない紫の君を、源氏は〝おとな〟の女性になったということで、欲情を抑えきれず犯してしまったのである。
さすがにこれには紫の君も怒ったらしく、その後、拗ねてしばらく口も利いてくれなくなったらしいが(源氏に関係を迫られた姫君の中では珍しく本気で怒り、嫌っている)……このエピソードからは、箱入り娘として育てられ、まるで性の知識のない姫君が初体験を迎える時の状況が知れて興味深い。
ともかくも、肉体的におとなの女性へ成長していることをもって、性行為の解禁時期と考えられていたようだ。
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